モラ逃げ直前、警察署に駆け込みました。

モラ逃げ準備段階では、さほど必要だと感じていなかった、警察署への相談。
しかし後から思えば、モラ逃げ後の生活を安定させるのに、とても役立ってくれました。

警察署にまつわるお話は、地域により異なるところもありそうですので、ふわっとご参考程度にお読みいただければありがたいです。

捜索願不受理届を、出したい。

さて、モラ逃げ準備期間は2週間。
この限られた時間で、できることをできる限り、やらねばいけません。

不動産屋で新居の内見をし、契約を決めたあと、その足で地元の警察署へ向かいました。
モラ逃げ経験者のお話によれば、モラ逃げ後に捜索願を出されないよう「捜索願不受理届」を出したほうが良い、という情報があったのです。

捜索願は出されてもかまいませんが、モラ夫に居所を知られてしまっては困ります。
そもそも捜索願や不受理届とは、どのようなものかも分かっていなかったので、それを確認したい、というのもありました。

焦るあまり、受付を素通りしてしまいました。

「捜索願不受理届は、警察署の生活安全課で出せる」というネット情報を頼りに、警察署までやってきました。
受付で生活安全課の場所を教えてもらい、1秒でも早く……と、エレベーターに乗り込みます。

そのフロアはとても静かで、一般人の姿は見えませんでした。
このとき「あ、ちゃんと案内されないと来ちゃダメなところだ」と、気づきます。
大人として、あるまじき振る舞い。
このときの私は、完全なる不審者だったことでしょう。

しかし私は、このフロアに用事がある。
引き返すわけにもいかず、廊下をうろうろしていたら、近くにいた警官の方に声をかけられました。
「捜索願不受理届を出したいのですが……」と言葉にすると、涙が溢れてきました。
それは大きすぎる不安と、情けなさからだったのだと思います。

想像よりもサポートしてくれた、警察。

警官の方は、相談室のようなところへ案内してくださいました。
ひと通りの事情、そして「逃げたい」という意向を話すと、「まずお子さんとシェルターに入ってほしい」との返答がありました。

シェルターについては新居を決めているので辞退し、さらに「この日に逃げる予定です」というような話をしました。
話を聞いてくださった警官の方は、モラハラ被害のメモ書きや、モラ夫の連絡先、モラ夫の写真などを記録していました。

そしてモラ逃げ当日のための置き手紙も、ここで書きました。
と言っても、警官の方が話した言葉を、そのまま紙に書くのみ。
このときはもう平常心でいられず、あまり覚えていないのですが、「ちゃんと子どもと生活するので、探さないでほしい」というような内容だったかと思います。
この置き手紙はモラ逃げが完了した時点で、警官の方からモラ夫に渡す、ということでした。

また、モラ逃げ当日には警官の方が立ち会ってくださる、というお話もありました。
引越し業者にお願いして、荷物は過不足なく持ち出す予定だったのですが、「作業中にモラ夫が帰ってきたらどうしよう」という心配もあったので、これは願ってもないことでした。

しかしモラ逃げの直前になってから、当日モラ夫が家にいることが分かり、引越し業者はキャンセル。
最小限の荷物だけを自転車で持ち出す、ということになったので、立ち会いもなくなりました。

支援措置も忘れずに、しっかり逃げる。

さらに、支援措置のための手続きを進めてもらいました。
支援措置とは、DV被害者が加害者に居所を知られないよう、住民票などの閲覧制限をかけられる制度です。

支援措置は1年ごとに更新する必要があります。
有効期限が近づくと、役所から「もうすぐ期限切れですよ」というような通知が郵送されてくるので、この通知を警察署に持っていき、更新のための書類を作ってもらい、それをまた役所に提出する……といった流れだったと思います。
手間がかかりますが、これで自分たちの身の安全を守れるのなら全然やりますよ、というところ。

なおこの時期に、役所で世帯分離の手続きもしましたが、なにしろ切羽詰まっていたので時系列はあやふやです。

公的機関への相談実績は、あったほうが良い。

警察署へ相談したことは、思いのほか、のちのちの生活を守ってくれることになります。
可視化できないモラハラ案件を、そんなにサポートしてくれるものなのか、と、心底ありがたく感じました。

「相談実績を作る」という意味でも、警察署に駆け込んでみて良かったです。
公的機関に相談する、ということは、あとでさまざまな支援を受けたくなったとき、自分の話を信じてもらうための材料づくりでもあるのだな、と。

なお、そもそもの目的であった「捜索願不受理届」ですが、警官の方とのお話にはまったく登場しませんでした。
このようなケースに適したものではないのかもしれません。

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