相談先の弁護士さんから「あなたはモラハラされている。すぐに逃げて」との言葉を受けた私。
この言葉で、それまでの迷いから完全に解放されたのです。
そうとなれば、行動を急がなくてはいけません。
その日の帰りには新居となる物件を探しはじめ、不動産屋に電話して翌日の予約を取りました。
弁護士相談の翌日、新居の内見へ
不動産屋に伺うと、さっそく物件を紹介していただき、すぐ内見することに。
これも本当にラッキーだったのですが、立地も家賃もおおむね希望どおり。
なお、先に言っておかねばご迷惑をおかけすることがあるかも……と、不動産屋の担当さんにも、事情をざっくりとお伝えしました。
モラ夫から逃げるための転居であることと、とにかく急いでいること。
担当さんにはすぐ理解してもらえ、現住所に書類の郵送をしないなど、いろいろとご配慮をいただきました。
1軒目の内見で決めた、古めのアパート。
新居となるアパートは、すこし古めかしい外観。
ですが中に入ってみれば、思いのほか整っていたのです。
寝室とリビングが確保されていて、キッチンもちゃんとある。
当時の気持ちとしては、住むことさえできれば古くても構わなかったのですが、子どもとふたりで暮らすには十分な家でした。
日当たりも風通しも良く、不安ばかりだった新しい生活に、すこし希望がわいてきました。
内見を終え、部屋を出るときには「ここにします!」と、心が決まっていました。
担当さんも急ぎであることを分かってくださり、当日中に契約書類の準備、その翌日には初期費用の入金を済ませます。
保証人不要の物件でしたが、緊急連絡先は必要ということで、あらかじめ事情を話しておいた両親に「電話番号だけ書かせてほしい」とお願いしました。
気持ち良かった、家具家電の爆買い。
契約は順調に進み、モラ逃げ決行の数日前には入居できることに。
電気・ガス・水道のライフラインを整え、ここぞとばかりに家電を爆買いし、決行日の前日は家具を搬入。
新居にはエアコンがなかったので購入し、入居の翌日に取付工事に来てもらいました。
家電の爆買いは、正直、気持ちよかったです。
まるでアホのようにお金を遣うことや、家電量販店の商談テーブルに案内していただいたことが、このひっ迫した状況下では相当なカタルシスでした。
こんな状況なのだから、もう自分好みの家電を買いまくってやる! という気持ちだったのです。
うっかり忘れていたのは、部屋の照明器具。
これはいけません。
モラ逃げ決行日の前日夕方に気づき、慌てて買いに行きました。
こんなときこそ冷静に……と思っていましたが、この非常事態で私の脳はショート寸前だったのです。
モラ夫にバレないよう、時が来るのを静かに待つ
モラ逃げ準備を進めていた2週間は、小さなミスからモラ逃げ計画がバレてしまうのではないかと、ヒヤヒヤしながら過ごしました。
夫婦の亀裂など、まるでなかったかのように振る舞うモラ夫。
それに合わせるように、表面上はいつもと変わらず談笑もしました。
相談に伺った警察署の担当さんからも、不動産屋の担当さんからも「家を出るまでは、絶対にバレないようにしてください」と言われ、特に持ち物には細心の注意を払いました。
バレたら最後、先にモラ夫が子どもを連れて行ってしまうかもしれません。
いまがモラ夫から離れるための最高のチャンスで、きっと二度目はない、とも思っていました。
新居のカギは、洗顔石けんの箱の中に。
賃貸の書類は、できる限り自宅には持ち帰らず、職場で保管していました。
モラ逃げで、必ず持ち出したいものリスト
モラ逃げにあたり、必ず持ち出したいものがいくつかあります。
一度出てしまったらもう戻れないので、これらはしっかり確保。
入居日まで、コインロッカーに預けていました。
・母子手帳(監護者指定審判のため)
・育児記録、保育園の連絡帳(こちらも監護者指定審判で出番がきます)
・家計簿(財産分与の話で活躍します)
・子どもの保険証
・財布や印鑑など
・常備薬
・自分の服
・子どもの服(パンツばかり10枚ほど持ち出してしまい、あとで笑いました)
・子どもの保育園用品
あとからお金で買い直せるものは、悲しいですがあきらめることにしました。
心残りなのは子どもの写真ですが、手元にデータがあるから、また現像できるよ……と。